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株主・投資家の皆様へ
第132期事業報告
好調なインバウンド需要の取込みを加速しながら、
新たな価値の創造とリソルブランドの強化で事業を拡大

代表取締役社長 大澤 勝
株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
当会計年度はコロナ禍からの社会活動の正常化と、訪日外国人旅行者数が過去最高のペースで推移したことによるインバウンド消費の伸びや雇用、所得環境の改善などを背景に、
観光需要の本格的な再拡大が見られ、宿泊・ゴルフ場のリゾート市場への旺盛なレジャー需要、企業の人的資本投資拡大による研修需要などに支えられ、堅調な状況が続いています。
このような経営環境のもと、インバウンド需要に向けたマーケティング施策の実施、ニーズを捉えた商品・プランの造成、ワンランク上のサービス提供や品質向上によるブランディング強化などにより既存事業の成長を図りました。
また、新たな価値創造の取組みとして、フェアウェイの眺望が堪能できる高級ゴルフリゾート“フェアウェイフロントヴィラ事業”、
「暮らすように泊まる。」をコンセプトとした滞在型貸別荘“リソルステイ事業”、
プライベート温泉とドッグランを備えたリソルの森の“ペットヴィラ事業”(2024年10月に開業)を推進しました。
インバウンド6,000万人時代に向けて
訪日外国人旅行者数が今年度は4,000万人超が見込まれることや、日本政府が掲げる2030年に6,000万人という数値目標を背景に、インバウンド需要は継続的に拡大することが見込まれます。 海外からの観光客にとって日本の物価にはまだ割安感があるのでしょう。それだけでなく、日本の観光資源に対する海外からの評価は年々高まっています。 訪日目的も、日本旅行の定番といった京都などの有名観光地から地方観光へ広がりをみせています。また、「モノ消費」から、レジャー体験などの「コト消費」へと楽しみ方も変化してきています。 リソルグループでは、「観る・食べる・体験する・買い物する」をキーワードに、訪日外国人旅行者の地域特性や滞在スタイルなどのニーズに合わせたサービス提供を行い、インバウンド需要の取込みを加速していきます。
リソルブランドの強化
「リソルの森」をグループのランドマークに据え、グループ間で連携しながら相乗効果を発揮し、各事業において、ブランド力を強化していきます。 さらに、財務の健全性を意識しながら、戦略的なM&Aによるゴルフ場の取得と計画的なホテルの出店で、リソルグループ全体のブランド力を高める高品質な新規施設を展開していきたいと考えています。 新たな宿泊サービスによる多様化への対応、海外事業進出の検討などにより継続的に事業拡大を進めます。
コンシェルジュサービスで「リソルホテルズ」ブランド強化
ホテル運営事業では、おもに女性・観光客・中長期滞在をターゲットとした“ツーリストホテル”としての独自の強みをいかしたポジショニングを強化。 ブランドの確立を推進しながら他社との差別化を図り、引き続きインバウンドを取込んでいきます。 北海道から沖縄まで全国20ヶ所に展開する「リソルホテルズ」ブランドでは、現在コンシェルジュサービスの強化に注力しています。 専任の「サービスコーディネーター」を「リソルホテルズ」ブランドの各施設に配置し、お客様の旅に寄り添うサービス提供で顧客満足度の向上とリピーター創出に努めます。 リピーターの増加に伴って「コト消費」も重要になりますので、独自の施設周辺のマップによる地元と連携した飲食店・観光スポットの案内、日本文化体験イベントの実施など、サービス向上に努めます。
ホテルとは違った滞在スタイルで高級別荘体験を楽しむ
滞在型貸別荘を展開しているリソルステイ事業は、「暮らすように泊まる。」をコンセプトに「スイートヴィラ」シリーズを、 熱海、箱根、伊豆、那須、富士五湖、軽井沢など関東中心に拡大しています。 利用ニーズに応じて選べる3つの滞在パターン(ウイークリー・マンスリー・デイリー) を推進した結果、リゾート地での避暑・避寒目的の中長期利用や、 インバウンド、大人数での利用が増加し、宿泊数は順調に増加しています。
“フェアウェイフロントヴィラ事業”推進
ゴルフ運営事業では、将来的な国内プレーヤー人口の減少を見据え、インバウンド集客体制の整備を進めます。 インバウンドの数%を呼び込むだけでも状況は大きく変わります。 海外の方から見て日本にゴルフ場というイメージはありませんが、日本は世界で3番目にゴルフコースが 多い国です。 実際にラウンドすると「こんな良いコースが日本にあるのか」と驚かれることもあります。 現在、日本には300超のコースを有するような世界最大のゴルフ場運営会社があり、コースの数では私たちは明らかに少ないのですが、だからこそ個性をいかした経営が可能です。 リソルグループのゴルフ場は今後、コースやサービスのクオリティを重視し、価格ではなく付加価値で存在感を高める戦略を進めます。 そのひとつがゴルフ場に隣接する宿泊施設の“フェアウェイフロントヴィラ事業”で、今後もグループゴルフ場内に新規建設や増設を進めていきます。 ゴルファーはもちろん、インバウンド含めた観光を目的としたツーリスト層にも対応できる、ワンランク上の高級リゾート化を目指します。 現在、茨城県の「スパ&ゴルフリゾート久慈」と、広島県の「瀬戸内ゴルフリゾート」で展開しており、2027年春には、富士山を望む「大熱海国際ゴルフクラブ」にも開業予定です。 このほか、夏場の利用者減少への対策として、全コースでのクーラー付きカートの導入や、フェアウェイ乗り入れ、暖地型芝への転換などによるコースメンテナンス強化を推進し、オフピーク時の稼働率平準化と収益力強化の実現を目指します。
グループの象徴施設「Sport & Do Resort リソルの森」
リソルの森事業では、千葉県の「Sport &Do Resort リソルの森」に、ホテル、ログコテージ、グランピング施設、ドッグヴィラなどの宿泊施設のほか、 ゴルフ場、温浴施設、レストラン、各種スポーツ施設などを展開し、グループの象徴施設として上質化を図りながらブランディングを強化しています。 特に、プライベート温泉・ドッグランが全棟に完備されたペットヴィラ「Dear Wan Spa Garden」、真名カントリークラブと宿泊をセットした「ゴルフ&ステイ」プラン、 社員のリスキリングや、チームビルディング等を目的とした企業研修の利用が大幅に増えています。 また、リソルの森を拠点に数日間ゆっくりと宿泊して、温泉を楽しみながら、ゴルフなどのアクティビティに興じたり、 県内の大型テーマパークやアウトレットなど人気レジャー施設に出かけたりするような、体験価値の高い旅の提案を今後強化していきます。
福利厚生事業の成長に期待
これからの成長ドライバーと期待するのは福利厚生事業です。 競合他社と差別化された3つのプラン、利用実績に応じて補助金を精算・返金する透明性の高い「精算プラン」、 提携外施設も利用可能なカスタマイズ性の高い「カフェテリアプラン(プラスユアチョイス)」、 宿泊に特化し利用実績分のみを支払う「従量制プラン」を強みに、新規顧客の開拓に注力しています。 また、大手旅行会社との提携により業界トップクラスのメニュー数が備わったことや「商品検索システム」を一新したことで「ライフサポート倶楽部」のシステム基盤も万全の体制が整いました。 さらに、大手金融機関との販売連携による営業活動や、テレビCMなどのプロモーション活動を強化したことで新規受注は順調に増加しており、これからの成長が大いに期待できます。
リソルグループの更なる成長のために
リソルグループコーポレートフィロソフィを4月に改訂し、 リソルホールディングスのDNAや、創業の精神、長期方針をグループ全体で共有し、すべての従業員がそれに基づく判断基準をもって自ら考え、主体的に行動できる組織を目指します。 「頼らない、頼れない、真似ない、嘆かない、諦めない」といった創業の精神や、 「あなたのオフを、もっとスマイルに。」「3つのやさしい」(人にやさしい・社会にやさしい・地球にやさしい)などの方針をグループで共有することで全体の方向性を明確にし、 若手もどんどん新しいことにチャレンジし、成長し続けることができるカルチャーを育んでいきます。また、現場との連携を密にし、世の中の変化を素早くとらえながら現状に止まることなく、 新しいチャレンジに挑むことで事業の成長につなげていきたいと考えています。
サステナビリティ経営推進
サステナビリティ経営の根幹として掲げている長期方針「人にやさしい」「社会にやさしい」「地球にやさしい」の3つの「やさしい」のもと、 気候変動を含む環境や人的資本・多様性などの社会課題を経営上の重要事項として捉え、持続的な社会の実現への貢献と中長期的な企業価値の向上を目指しています。 また、人材育成戦略として、若手の登用に力を入れています。ホテル運営事業、ゴルフ運営事業、リソルの森事業、福利厚生事業を展開するグループ会社の責任者はすべて40代で、 グループ会社の役員や運営施設の支配人も20代30代で誕生しています。若手の段階からホテルやゴルフ場の支配人としてマネジメント経験ができるのが当社の特徴です。 グループのどの会社にいても誰にでもチャンスがある。本人にやる気があれば「やらせてみよう」という企業文化も当社のDNAになっています。 さらに2025年6月には、主要子会社の役員に若手の女性を登用しました。まずは子会社で経営の経験値を積み上げてもらい、将来はホールディングスの経営陣に加わってもらいたいと考えています。 このように多様なキャリアプランを醸成していくことで、社員ひとりひとりのエンゲージメントを高め、それがグループ全体の持続的成長を支えていくと考えています。 これからの成長に是非、ご期待ください。株主・投資家をはじめとするステークホルダーとのエンゲージメントを目的に、情報開示の充実に向けた取組みを推進してまいります。 株主還元に関しましては、各事業において業績向上を図り、安定的な配当・優待施策の充実に努めてまいります。
株主の皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご愛顧とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年6月
代表取締役社長 大澤 勝